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森の暮らしの記憶 パプアニューギニアのマーロン・クエリナドさんのゴゴール渓谷の村のおはなし

 

森の暮らしの記憶―パプアニューギニアのマーロン・クエリナドさんのゴゴール渓谷の村のおはなし

森の暮らしの記憶―パプアニューギニアのマーロン・クエリナドさんのゴゴール渓谷の村のおはなし

 

 作者の自伝的な絵物語だが、文字量は多くないので高学年のちょっと長めのよみきかせとしては使えそう。作者自身の森の中での豊かで楽しかった子ども時代が、森が伐採されることで、獣や鳥がいなくなり、干ばつが起こり作物もダメになり、水を得るにも苦労するようになって生活が破壊されていくようすが語られる。そして、その伐採は日本の製紙会社(王子製紙の子会社JANT社)が、主にダンボールを作る材料を得るために行ったものだというのは、衝撃的だ! 安価なものを使い捨てすることで、知らないうちに他国の暮らしを破壊しているというのは申し訳ないこと。自分が使うものに気をつけたい。