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エメラルド・アトラス 最古の魔術書

 

エメラルド・アトラス―最古の魔術書

エメラルド・アトラス―最古の魔術書

 

 突然の両親との別れて幼い時から過酷な孤児院での暮らしとなる3兄弟。責任感が強く優しい姉のケイト。ゴブリンオタクで気が弱いマイケル。末っ子で無鉄砲で勝ち気なエマ。いつの日か現れる予言の子どもたち、世界を動かす失われた書物、善と悪の対立などいずれもどこかでみたような題材で、ゲームのようでもあるが、娯楽作品としては十分楽しめる。「ハリー・ポッターみたいな本」が読みたいという子に手渡すにはよさそう。ただ、実際図書館に置いてあってもあまり動かなかったので、優先的に購入しなくても大丈夫かも。この巻ではまずケイトが本を手に入れる。全3巻で2・3とそれぞれが本を手に入れて世界を救って終了になるのだろう。それにしても、古代アレキサンドリアで作られたたしいけど、まだ本の形態なくて巻物では? など、つい細かい突っ込みもいれてみたくなりました。キャラクターや危機一髪シーンの描写はじょうずだけど、本当の異世界を描くにはそれ以上のものが必要なようです。