児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

フォスターさんの郵便配達

ペリーコの母さんは病気で死んでしまった。その少し前から父さんは家に寄りつかなくなり、ペリーコはぐちゃぐちゃになっていく家の中で、学校に行く気力も無くしてさぼっている。この田舎の漁村に住んでいるイギリス人のフォスターさんは、村人からはうさんくさく思われているが、ペリーコは、偶然風に飛ばされた帽子を拾ってあげたことで知り合いになる。そしてフォスターさんのために、郵便局から新聞を届ける仕事を引き受けた。この村のもう一人のはずれものイスマエルは、掘立小屋で皮細工の仕事をしている。流れ者で怪しいとエフレン警部は目をつけているが、しっぽがつかめない。ペリーコは父さんのいいつけで操業許可証のお金を払いに行くが、その途中でお金を落としてしまう。村でも妙に景気の良いポルトガル兄弟の船に衝動的に乗りこみ、偶然無無造作に突っ込んである大金を見つけて、許可証の支払いの金を1枚だけ盗んでしまう。だが、それはエフレン警部が追っていたにせ札だった。警部は、ペリーコとフォスターさんに目をつける。そんな中、ペリーコはイス

 

フォスターさんの郵便配達

フォスターさんの郵便配達

 

 マエルさんとフォスターさんが知り合いで、何かの包みをやり取りしていることに気付いた。父親とすれ違うペリーコの思いと、スペイン内戦の影。特にスペイン内戦は、ついこの間の歴史だが正直良く知らなかっただけに、そこで傷ついた人たちの思いを感じる。最後まで父親とぎこちないペリーコだが、周りの大人たちの助けでもう一度希望を取り戻してほしい。