児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

みずとはなんじゃ?

 

みずとは なんじゃ?

みずとは なんじゃ?

 

 水のもつ大切な性質を3つに整理して、かこさとしさんらしくわかりやすい例えで説明していきます。①水蒸気や氷に変化する性質は、「忍者や役者のよう」(タイトルは”にんじゃ”の音に合わせてつけられた)、➁栄養を運び病気を防いで生物の命を支える役割は「料理人や医者のよう」、③海や川が地球上の温度を一定に保っているのは「クーラーや布団のよう」といった具合。最後の場面には、海や川を汚さないように大切にしようという、かこさんからの大切なメッセージがこめられ、だるまちゃんやからすのパンやさんなどの面々も登場しています。
2018年5月に亡くなったかこさとしさんの遺作です。幼い子にわかるかがく絵本という企画案の下、挿絵の内容や構成を細かく打ち合わせ、鈴木まもるさんに完成が託されました。初回特典の冊子にもありますが、かこさんは『だむのおじさんたち』(1959年)でデビューし、『かわ』『海』『地球』(すべて福音館書店)などを通して水への思いを作品にしてきました。小学生以上には、これらをぜひ紹介したいです。 (P)