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月白青船山

 

月白青船山(つきしろあおふねやま)

月白青船山(つきしろあおふねやま)

 

お父さんが単身赴任しているオーストラリアに家族で行って楽しく過ごすはずだったのに、そのお父さんが病気で入院。母親は単身で看護に向かい、小学5年の主悦と中学3年の兵吾ほ良く知らない鎌倉の大叔父にあずけられることになった。近くに住む静音という女の子と仲良くなるが、3人は過去に迷い込む。予言の救い主として瑠璃の玉を探し、この村を救って欲しいと頼まれる。3人は歴史や伝説を調べ、ついに村を救うというどこかで見たような話。正直、お話が作り物っぽくてその世界にはいりきれなかった。物語の最後に「大姫異聞」という短い物語が載っているが、これは冒頭の方がよかったのでは? 大姫と笛を吹く娘と瑠璃伝説がゴチャゴチャしていてわかりにくいのも読みにくさの原因だったと思う。オーストラリアは完全看護じゃないのか? 健康保険がなくて長期入院の医療費大丈夫か? お父さんの両親はなくなっているようだけど、お母さんの両親も亡くなってるのか?(まだ若いだろうに)とか、物語の設定づくりのために不自然な設定をしているように感じてしまったりもしました。タイトルはおもしろそうなのに・・・でした。