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ドロミテの王子―イタリアに古くから伝わる民話より

 

今夜は十五夜。月にまつわる物語です。
トミー・デ・パオラ自身と思われるおはなしおじさんが子どもたちに語って聞かせます。北イタリアにあるドロミテの山々が美しく輝くようになったいわれの物語。
月の王国に住む姫君に恋をしてしまった王子。野山を守るサルヴァーニという小人の進言によって念願かない、月の王国へ行きます。しかし、月の明るさに目を傷めてしまった王子は地上へ戻らなくてはなりません。姫を連れていきますが、地上での生活に今度は姫の具合がしだいに悪くなり。再びサルヴァーニの小人たちの働きで、月の光で織り上げた網をドロミテの山にかぶせたところ、光り輝く月の王国の世界が山々に広がり、姫は元気を取り戻すのです。
とてもロマンチックな物語。長編ですが、絵の雰囲気も素晴らしいので高学年くらいに読んであげられたら素敵です。  (P)