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ベネベントの魔物たち 4 わがままな幽霊

 

 シリーズ最終巻は、2巻目の主人公プリモのもう1人のいとこ、セルジオの物語。

セルジオは、屋根裏に住む祖先のゴースト、ビスビスのわがままに悩まされていた。ささげものの食料に対する注文がとにかくうるさい。おまけに、7人の息子を世話するお母さんからは、弟たちの大量のおむつの洗濯やら面倒な用事ばかり言いつけられる。あげくの果てに部屋が狭いからと、ビスビスと一緒に屋根裏で寝てくれと追い出されてしまう。お母さんを喜ばせれば家族の部屋に戻れるのではと考えるセルジオ。お母さんがずっと会えないでいるいとこ、カロッツォ家との仲たがいの原因がお互いの家のゴーストにあることをビスビスから聞き出し、いさかいの元となった置物の木の船を手に入れることに成功。お母さんの願いを叶えることができたセルジオは無事に家族の部屋にもどった。

最終巻でも、人間たちにまぎれている魔物ジャナーラがいったい誰なのかや、3巻目に取り残されたイシドラへの疑問は明示されず。もやもやが残ります。   (は)