様々な記録に残され、また遺跡の発掘調査からわかってきた日本の地震の歴史。列島の北から南へ網羅的に解説され、わが国では地震の起きない所はないことがよくわかる。巻末の地震年表を見ると、2000年以降ほぼ毎年どこかで発生しており、首都直下型地震や南海トラフ地震がいつ起きてもおかしくない、地震の活発な時代にあることは明らか。でも本書の目的は、地震や自然災害の脅威を知らせるだけではない。まえがきにあるように、現代の技術を過信するのではなく、祖先が乗り越え築いてきた生活、教訓や文化を知り、自分の命と暮らしを守ることにつなげるため。また、ジオパークについてのコラムにあるように自然と人間のかかわり方を考え直すこと、なのです。 （は）
