著者は家族でアフリカへ移住までしてゴリラの生態を観察していった。その様子はまさに体当たりコミュニケーション。子どもゴリラから遊びに誘われるまでに心を通わして知った生態の数々は興味深い。けんかに勝ち負けをつけず仲裁役がいることや、メスが強い社会があったり水を怖がらない種類がいたり。動物園ではなく自然の中で観察したからこその発見。アフリカの食事情(バナナ酒、虫・・・)や現地の人との交流(食後の昔話語りタイム!)もおもしろいが、一方、密漁や戦争の被害にゴリラを苦しませる人間の身勝手さは胸が痛む。最終章にまとめられた、ゴリラから学ぶ友だちづくりや人間関係の極意といった話は、少しこじつけたような感じがしました。 (は)