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怪獣篇 SFショートストーリー傑作セレクション

 

 怪獣というよりモンスター的な作品か? 群猫:筒井康隆作は、閉鎖された地下で生き延びた巨大ワニと猫集団の戦い。暗闇になかで意志疎通の超能力を身に着けた猫たちの死闘。/ 仕事ください:眉村卓作は、奴隷よ登場せよと願った男のもとに、なんでもさせてくれと現れる不気味な男の恐怖。/弱点:星新一作は、なんとも言えない怪物の弱点を調査するが見つからない中でついに意外すぎる弱点が見つかるが、解決につながらないというオチ。 /マタンゴ福島正実作は、漂流してたどりついた無人島でキノコにむしばまれていく恐怖。/黴:小松左京作は宇宙から来た謎の物体が鉄や機械をむさぼってとめどもなく黴のように増殖していく。いずれもいわゆる怪獣が登場するわけではないが、スリリング。