児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

インフルエンザ感染爆発

 

 原書は2000年にアメリカで発行されている。1918年のスペイン風邪と言われるインフルエンザの大流行とそれによる多くの死者、世界中に広がったパンデミックについて解説されている。まだウィルスを見ることができる電子顕微鏡がなかった時代、相手は文字通り見えざる敵。通常のインフルエンザと異なり、若者の致死率が一番高いという特殊なインフルエンザであった。そして全世界に流行して、突然収束。その謎を解こうとして、後日永久凍土に埋められた死者からウィルスを採取できないかという試みが行われる。なお、この本の最後に今後パンデミックが起こったらどうなるか? という問いかけがある。そこでは、医学はすばらしく進歩したが、一度にたくさんの患者が発生した場合はやはり対応が困難だと述べられているがあ、現在のコロナウィルス蔓延を見ていると、確かにその通りだと思った。少し前なら他人事として読めただろうが、現在読むとリアルで恐ろしい。