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魔女モティ

 

魔女モティ (文学の扉)

魔女モティ (文学の扉)

  • 作者:柏葉 幸子
  • 発売日: 2004/07/13
  • メディア: 単行本
 

 紀恵は小学校5年の女の子。優秀なお姉ちゃんとかわいい弟に挟まれて、パッとしない自分は損だと思っている。今日も、仕事から帰ってきたお母さんから買い物を頼まれて反発してけんかになって飛び出した。なぜって、紀恵の誕生日なのにお母さんが忘れていたから。公園でどうしようと悩んでいたら黒猫に話しかけられた! 家族になってくれる子をさがしている。なってくれたら望み通りのおうちを提供してくれるというのだ。行く当てもないので了承したら、ふしぎな家に連れていかれた、なんとお母さんは魔女モティ、お父さんはドジでサーカスから追い出されたピエロ。モティは、あまりに成績が悪いトラブルメーカーなので、学校を卒業させるに当たって、見張り役に家族をつけようということになったというのだ。魔女は人を魔法で助けなければならないというのに、やる気ゼロ。それでもイヤイヤながら、魔女にあこがれて引きこもってしまったお母さんやら、子どもを置いて海賊業に励んでいたのに寂しくなって子どもをひきとろうとするお母さんなどとかかわることになる。登場するお母さんの設定や子ども側からの思いがちょっとユニーク。お母さんたちも間違えたり身勝手だったりするよね!