魔女の星の音に赤ちゃんが生まれる。魔女は宙に浮く丸い産屋を作ってその中で産むのだ。男の子と女の子の双子が生まれるが、出産を手伝っていた若い魔女「鬼食い」は、いきなり女の子を奪って姿をくらます。自分の繭の里に戻ったと思われるが折からの祭りで男性が入れない。竜が呼んだ娘ミアは竜の五爪に乗って後を追い、里に潜入する。そこでみんなが〝あの方”と呼ぶなぞの存在や絹の里にかけられた呪いを知る、という物語なのだが、正直納得がいかない作品だった。生後間もなくの赤ん坊をさらうというのは、ひどい行為だし、しかもそれは自分の身代わりにしようという鬼食いの身勝手さ。また自分を育ててくれた母親が異質だからと嫌悪する(でも心の底では甘えているって!?)けど、こういう風に感じるだろうか? まわりからそれゆえに差別されると感じるだろうけど、なにも知らずにそう育てられれば、それが当たり前だと思うから異質なものを嫌悪しないようにも思う。このシリーズも3作目だが、なんとなくまとまりがつかないように思う。