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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

人を見捨てない国、スウェーデン

 

「人を見捨てない」が成り立つポイントは「自立」。

子どもの時からの精神的自立―学校では個々に合わせた時間割を組み入試もない代わりに、なまけないよう自分を律することが求められる。経済的自立―臨時雇用やパートタイマーもみな税金を納め、雇用主は社会保険料を負担する。スウェーデンでは専業主婦は2%(2009年)。女性が経済的に自立できていることもあり離婚が多く同棲婚も社会的に認知されているため、きょうだい親子関係は複雑そうですが。

でも、納めた税金が自分たちの暮らしや人生のためになっていると実感できるから、高い税負担も納得しているし、自分たちが社会をつくっていると思うから投票にも行く。日本の消費税にあたる税率は基本25%だが、食料品12%で文化関係は6%!若者のデートの定番に図書館があるとか!

「進学や就職や家族をもつことが『一発勝負でない』」スウェーデン。いつでもやり直せる、自分のタイミングで決められる。自分らしい人生を楽しめそうだ。

「学校が実社会への手引きになる」という章に家庭科や社会科の授業が紹介されている。そういえば教員免許をとるため勉強した「家庭科教育法」の教科書にスウェーデンの小学校の調理実習が紹介されていた。調理台と別に試食用テーブルがあって、ランチョンマット、ナプキンをセッティングし、小瓶に花を活けキャンドルを飾っていただく、のです!  (は)