児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

みえるとか みえないとか

 

みえるとか みえないとか

みえるとか みえないとか

 

目が3つあって前後をいちどに見られるひとたちの住む星へ来た地球人。「不便でかわいそう」と気を使われるが、生まれつき後ろの目だけ見えないひとや3つとも見えないひとに出会って、同じ感じ方に安心したりちがいに驚いたり。お互いの同じところやちがうことを知るうれしさやおもしろさに気づいていく。
『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(伊藤亜紗著、光文社新書)をヒントにつくられていて、そちらを読むと、最初に出会う、”前後がみえるひと”の見ている世界は実は、”目の見えない人”の見え方(「視覚がないから死角がない」)を表していることがわかります。新書だとそこで大きな発想の転換をさせられますが、本書では、宇宙人に置きかえることでかえって、”見える”ことのとらえ方が変わらないようです。 (は)