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名探偵カッレ 危険な夏の島

 

前巻「地主館の罠」から1年。カッレ、アンデッシュ、エヴァロッタたち3人の夏休みは親の手伝いでバラ戦争もままならない。そこで敵軍のシックステンらと相談し深夜に決戦を定める。ところが”命がけ”の戦いの帰り道カッレたちは、怪しい男らが大学教授と5歳の息子ラスムスを誘拐する現場を目撃。エヴァロッタはとっさに2人の乗せられた車に忍びこみ、カッレとアンデッシュはそれを追うことになった。犯人の狙いは教授の発明「防弾軽金属」を記した書類。犯人のアジトは海に浮かぶ小島にあった。
4泊5日にわたる犯人との”死闘”はスケールを増し、バイクとボートを使った追跡や海外逃亡用の水上飛行機、無線で伝えるSOS。エヴァロッタが書類の隠し場所をカッレに伝える”山賊言葉”や追っ手のかわし方などバラ戦争の経験も存分に生かされる。しかも今回は、5才のラスムスの無邪気さにカッレたちも誘拐犯もほんろうされ度々ピンチに陥る。ハラハラどきどき、泣いて笑って大団円の展開はさすがです。 (P)