児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

オチツケオチツケこうたオチツケ

 

こうたは授業中、救急車の音に窓へかけ出したり、ブランコの順番が待てなくて友だちを突き飛ばしたり・・・先生やお父ちゃん、お母ちゃんに「オチツケ、オチツケ、こうたオチツケ」と言われ続け、いつのまにか自分も口ぐせになった。ぼくはワルイコだ、イイコになりたいのに・・・。ある日、お母ちゃんと2人でお医者さんへ。お医者さんは「こうたくんが落ち着きたいのにできないのは、ブレーキのききにくい車に乗っているようなもの―ADHDなんだ。上手に乗ればけっこうすごいよ」と教えてくれた。そうだったのか、ぼくはワルイコじゃないんだ!
複数の情報を同時に処理・適応することが苦手なADHDの子ども。いわば寝起き状態のようにぼーっとする頭を起こしたいから立ち歩いたり高いところに上ったりという刺激を求める行動をするとも聞きました。時々ブレイクを入れるとうまく切り替わって集中できるそうです。親や教師、クラスメイトの理解と励ましがそんな子たちを生きやすくすると、児童精神科医佐々木正美さんが巻末に解説しています。 (は)