児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

こども六法

 

こども六法

こども六法

 

いじめの被害者と加害者の両方を経験してしまった著者が、子どもの頃こういう本があったら、という思いでつくった。
なので、本書で扱う六法は、順に「刑法」「刑事訴訟法」「少年法」「民法」「民事訴訟法」「日本国憲法」「いじめ防止対策推進法」となり、条文は、重要なものと子どもに関係の深いものを選んである。条文を説明するイラストも悪口やいじめ、いたずらなど子どもの日常に起こりうる状況を描いてわかりやすい。

大人向けのあとがきに、いじめや虐待など子どもをめぐる「問題を深刻化させるのはしばしば大人の『見て見ぬふり』」だとあります。また問題発見の難しさも指摘します。だからこそ子ども自身が、自分の辛さ苦しさに法的根拠を持たせてSOSを発信できるようにと、著者は考えています。そして、子どもからSOSを受けた大人は真剣に受け止めて解決に動かなければならないということも。「こども六法」ですが大人にもです!!  (P)