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あなふさぎのジグモンタ(2021年課題図書 小学校低学年)

 

 ジグモのジグモンタは、服の穴ふさぎ屋をしている。どんな穴でもふさぐことができる。だけど、あるときせっかくふさいだのに「新しいものを買ったから捨てても良かった」と言われ、続いて結婚式のベールをハリネズミの姉たちから依頼された直後、本人にお古はイヤと断られる。お客も来なくなり自信を無くして歩いていると、毛布に穴をあけて困っているフクロウ家族に出会い、大急ぎでふさいで感謝される。急ぎすぎて、ふさいだか所に中の羽毛がはさんでしまい、やり直そうとすると「これがかわいい」と言われた。そこで結婚式のベールにもいろいろな飾りを縫いこんで持っていくと大好評。というお話。正直、展開がミエミエ。絵は楽しいけれど、さいしょの穴ふさぎシーンで「じっくりあわてずあなふさぎ」というシーンで、糸がシュパシュパ(?)という感じで動いて描かれていて、これは素早くではないか?と思った。主題が「古いものでも大切に工夫すれば長く使えるよ」とはっきりしているので、それをネタに書けば簡単に感想文が書きやすい作品といえそう。ついでに自分がリフォームのものをもらった経験とかからめて。でも、これで感想文を書くと、書いた子がみんな同じパターンになりそうだから、賞狙いで書くなら、どう展開するか考えた方が良いかもです。