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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

おーい、こちら灯台

 

作者がフリーマーケットで見つけた古い絵の灯台内部の様子に魅せられたことから生まれた絵本。確かに、灯台の断面図からわかる灯台守の暮らしぶりは興味深い。下から食糧倉庫、居間、寝室とあって、遠くへ光を届ける大きなレンズが立つてっぺんまでらせん階段がつなぐ。数か月に1度の補給船の訪問以外は孤独な日々。家族と暮らすようになれば子どもが生まれたり病気になったり、座礁した乗組員を手当したりということもある。いまは機械式になって灯台守のいないその灯りに、いとしさをおぼえる叙情的な描き方。 (は)