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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

ジンベエザメのはこびかた

 

世界一大きい魚ジンベエザメは、全長およそ5メートル体重1トン。高知の漁船の網にかかったのを、大阪の海遊館で飼うことになり、460キロメートルの道のりを運びます。水族館側「いきもののプロ」と運送側「はこぶプロ」それぞれの専門性を生かしたはたらきぶりを写真で追うドキュメンタリーです。トレーラーのコンテナ水槽へ移動させるための担架は飼育係の手づくりで竹が使われているとか、担架へ入らせる練習を2週間前からしておくとか、いろいろな驚き。イラストで補足される解説もわかりやすい。移動中の健康観察や水質検査、水の交換、到着したら水族館の水に慣れさせるための水合わせ。水族館で暮らし始めても、研究のためいつかは海へ返すため、入念で気の抜けない苦労が多々あります。仕事紹介としても興味をひきそうです。 (は)