児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

海へ出るつもりじゃなかった(上)(下)

 

 

帆船ゴブリン号の持ち主ジムのもと、湾の中で船上生活を体験するだけのはずだった4人の子どもたち。ジムがガソリン補給のため一時下船した間に、満ち潮のなか錨が水底を離れてしまい、深い霧のなかを外海へと流れ出されてしまう。下手に浅瀬へ戻って座礁するよりはと、あえて海へ進路を取る判断をした長子ジョン。風吹き荒れる闇の海。ジムや本から学んだ帆走法の知識とコンパスだけを頼りに、なんと子どもたちは北海の対岸オランダの港へたどり着く。そこで4人は奇跡的にも、海軍の仕事から帰国するところだったおとうさんと合流し、帰路は心強く北海をわたるのだった。
苦手意識のあったランサム。『岩波少年文庫のあゆみ1950-2020』の若菜晃子さん「シリーズはばらして読め」に背中を押されようやく克服。ローラ物語好きな私としては、素敵なおとうさんここにもいた!という感じでした。 (は)