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子犬たちのあした ロンドン大空襲

 

 『戦火の三匹』より少し後の戦時下のロンドン。12歳のエイミーは18歳の兄の出征前夜、突然の空襲で怯えて飛び出して行方不明になった犬のミスティを必ず探すと約束する。地下鉄の駅の使われなくなった隅に逃げ込んだミスティは、そこで2頭の子犬を産むが、直前のけがで徐々に弱ってきていた。3頭を助けたのは猫のシバ、そして第一次世界大戦の戦場で心を病んでホームレスになっていたダニエルだった。ミスティはついに命を亡くすが、シバは子犬たちにエサを運び、ダニエルも少しづつ気力を取り戻して子犬を散歩させようと外に出るようになった。一方、エイミーはミスティを探すうちにマイケルと出会う。全作ではロバートとルーシーの友人として登場し、相変わらず(ナルバック全国空襲警戒動物委員会)で活動している彼と共にミスティを探しながら、空襲の後に犬で人を探す活動に協力したいと動き始めるエイミー。さまざまな困難を越えて、ついにエイミーが子犬と再開し、ダニエルのおかげで、その子犬がミスティの子どもであることがわかる。途中の大変な状況がきちんと描かれているのでリアルな作品になっているのが魅力。動物好きな子にはたまらいだろう。