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わたしに手紙を書いて 日系アメリカ人強制収容所の子どもたちから図書館の先生へ

 

 第二次世界大戦下のアメリカ。日系人は敵として収容所に閉じ込められることになった。その子どもたちにハガキを渡して便りをもらい、その住所を追って差し入れや支援を続けた女性の図書館司書の実話。個人的に支援するだけでなく、社会的にもこれは正しいことなのかと発信を続けた。ふりかえってこれが日本だったらどうだろう。ひょっとしたら個人的に支援した人はいたかもしれないが、社会に訴える活動ができただろうか? そそてこれを行ったのが図書館司書だということは励まされる。図書館司書だからこそ、本を読むことを求める子どもたちに物資と本を贈り、自由を求めた。たとえ戦時下であっても公共性を追及した活動に敬意を払いたい。