児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

ジーク―月のしずく日のしずく

 

ジークは、オオカミ猟師の父親から剣と弓を仕込まれた。その父が亡くなると、剣の腕を見こまれ百人隊対抗の剣の大会へ駆り出される。相手の隊長を結果的に殺してしまったジークは国王を喜ばせるが、束縛を嫌い村へ戻ろうとする。その旅すがら、赤ん坊のころにつぶれた左目は金色をしているらしいこと、それは銀色の右目と合わせて、対立する2国の王子と王女の血を受け継ぐことを示し、自分の存在は許されないことを知る。同時に、長年魔物に生け贄をささげてきた儀式で、親友の代わりに魔物を倒す決意をするジーク。「月のしずく、日のしずく、まじりけなきまざりもの」という言い伝えが意味するところの自分の力に気づき、ひとりで魔物に対峙する。
前半の闘技場の試合は迫力あるが、大魔を倒す最後が少々あっけない。 (は)