子どもの頃、全身全霊をかけて遊んだふるさと福井での思い出を、春夏秋冬に章立ててつづる。自然の草花や虫だけでなく、剪定された庭木の枝や自転車の車輪などの廃材もかっこうの遊び道具となった。いい材料を手に入れるための交渉術。上手に細工する先輩への羨望と尊敬。大人の見当ちがいな思いやりや戦争の虚偽を見抜いて、時流をよんで遊びをくり広げた子どもたち。そして、スキンシップが重要などと言われるまでもなく子どもたちはずっと、指や足、体をからめておもしろ楽しく遊んできたこと。
「のびてゆく子ども達が一番ほしいものは精巧さより自由」「与えられるものより自分の意のままになるもの」。「親や商人」の「満足」ではない。大人は子どもの姿に学んで、すべきことをしないとですね。 (は)