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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

子どもといっしょに読む新型インフルエンザハンドブック

 

新型インフルエンザといっても、今回のコロナではなく、SARS(サーズ)などで警戒が発せられたころの本。コロナが実際にまん延した現在読んでみると、基本的なこと(マスク・手洗い)などはきちんと書いてあるが、長期間学校に行けなくなることは当時、全く想定していなかったことがよくわかる。「お家にいよう」と言われても1週間や2週間ではなく家にいる時にどう過ごすか? 勉強をどうするかというようなことはリアルに考えていなかったことがよくわかる。家族内感染を防ぐ行動についても書かれているが、親が感染、自分は大丈夫という事態への対処という視点もない。これだけの経験をした後に、こうしたテーマの本が内容をどう変えていくのだろうか?