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直観 こども美術館 プリミティブアートってなぁに?

 

最初にプリミティブアートの定義について触れているが、定義が難しいのでこの本では「アフリカ 大平洋の島々や アメリカ大陸やアジアなど・・・。そこに暮らしているいろんな部族が生み出し残してきた作品たち」をそう呼ぶ、とある。目次・索引はないが、裏表紙に世界地図があり、そこに作品の写真とページが書いてあるため、実質索引的な役割を果たしていると言える。掲載されている作品はとても美しくてユニーク。解説も作品自身が語るような形式になっていて楽しい。ただ、個人的に気になったのは異国情緒趣味みたいな珍しくて面白いでしょう? という提示のように感じられたこと。今の私たちにもつながる魂の作品、という視点をもう少し出しても良かったのでは?(プリミティブアートは、原始美術など先史時代の作品も含んだ名称として定義されることも多いが、ヨーロッパの原始美術をいれることで人間の魂の共通性を入れてみるなど)という気もした。