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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

あしたのことば

 

 会話の時にすぐに言葉を返せなくて悩む律と、なんでも反射的に言葉に出しすぎて悩む周也の気持ちの双方からの物語「帰り道」。どうしての仲良くできない子とのトラブルで悩む「あの子がにがて」。クラスでも中心の富田さんから心無い言葉をかけられて傷ついた美里だが、ふと富田さんの思いに気がついてメールを出す「富田さんへのメール」など8編の短編が入っている。ほんのちょっと視点をずらすと別のものが見えることを教えてくれるような雰囲気がなかなか良い。「帰り道」は小6の国語教科書に掲載されたもの。サラリと楽しめる。