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ブルーバック

 

オーストラリアの辺鄙な浜辺で、母ドラと二人で暮らすエイベル。父はサメに襲われて死んでしまったが、力強い母は、船のエンジンを整備して操り、アワビや魚をとり、果物や野菜を育てて暮らしている。そんな暮らしがエイベルは大好きだ。ある日、大きなブルー・グローバー(ベラ科の魚)に出会ったエイベルは、魚にブルー・バックと名前をつけて遊ぶようになった。入り江には、あくどい漁師がやってきたり、リゾート開発をもくろむ男たちが訪れたりするが、ドラは入り江を守り通す。そしてエイベルは海を懐かしみながらも都会の生活に耐えて大学に進み、魚の研究者への道を進む。海に魅せられた暮らしの中で、海と共生する道を見つけていくエイベルの物語だが、それ以上にドラの物語。なんでもできるワイルドなおかあさん、ステキです。