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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

青空のかけら

 

1987年ミラことミラクルは弟のザックと一緒に児童養護施設スキリー・ハウスに到着した。それまでもいろいろな親の所を転々としていた二人。施設の雑用をしているサイラスも、世話をしてくれるホーテンスもやさしいけど院長先生のミセス・クランクスは怖そうだ。だが、徐々に他の子どもたちとも慣れてくる。ミラは自分の部屋に名前を彫り付けたグレンダが友だちみたいな気がする。とりわけ彼女が1947年と、40年も前に書いて隠した手紙を見つけてからは。都会の子を自分の家にホームステイさせるプログラムで二人は田舎に住むマーサの家に行く。不安だったけれど、川や木がある野原にザックは興奮。あっというまに服を泥だらけにしてしまい、ミラはこのままではすぐ帰されてしまうとドキドキするが、マーサは決して怒らなかった。楽しい思い出を持って家に帰るが、施設では友だちが引き取られていったり、ティーンエイジャーになったジミーは飛び出したりとさまざまな事件が起こる。そして再度マーサが休暇に呼んでくれるというラッキーな出来事が起こるが、直前にテレビに映ったデモ参加者の女性が自分たちに似ていると言い出したザックは、ママに違いないと言い出して、夢中になり大変な事件をひきおこしてしまう! いつも弟のザックのことが心配でたまらないミラ。日本だったらこんなに養子縁組はないのではないかなと、思ったが。家庭に引き取られて、ふつうの子として幸せに生きたいというミラの願いは切実。ちなみに、カンが良い読者はグレンダが誰だかわかると思います。私はわかりました!