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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

こずえと申す

 

仕事人間の父さんが家を出て行って、ぼく草太と弟と母さんは、里山にあるじっちゃんの家で暮らすことになった。夏休み、新聞受けから新聞がなくなってかわりに葉っぱや木の実が置いてあることが続いて、ぼくと友だちの大介、弟は早朝に張りこむことに。すると、新聞を盗んでいったのはチョウゲンボウという鳥で、後を追って天狗山に入ると神社があり、胴着はかま姿に木刀を持った少女が「こずえと申す」と迎えた。こずえは、山の動物や自然を守りたいと考えており、道路建設推進派の市議選候補者を同じ苗字の草太の父親だと勘ちがいし、新聞を盗むことで山を見に来させようとしたのだった。選挙権がない子どもでも考えて行動することが大切。2学期の参観日、草太たちは天狗山のフィールドワークをまとめて発表し、その行動は大人たちの関心も高め議論は続いていくのだった。
文章が散漫なので、もっと1人1人の人物像を深く描いてほしい。松岡享子さんの『子どもと本』(p111)を読んでいたら、散らばった情報から人物像をまとめるには経験知が必要でおとな向けの小説の書き方だとあり、この違和感を納得できました。 (は)