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すてきなタータンチェック

 

作者の奥田さんが、子どもの頃から心ひかれていたタータン・チェック。大人になって、愛読書『赤毛のアン』の舞台プリンス・エドワード島に留学した際、「プリンス・エドワード島・タータン」と名のつく布に出合う!なぜイギリスの伝統衣装がカナダに? 帰国した奥田さんは、正式には「タータン」という種類のその布について、自身の中にわいてきた疑問にそって調査を重ねとうとう本場スコットランドへ。街のテーラー、タータン工場、タータン博物館と訪ねまわり、北部の「田舎くさい布地」が国民全体のブームになり、「上品でおしゃれな布地」へのぼりつめる過程をたどります。

海外への人気の広まりとともに品質と歴史を守るため、タータンの柄を国が管理する公的な登録制度になったというのは驚きです。日本の「ハローキティ」や「マクミラン・イセタン」が登録されていることも紹介。制服に人気の柄なので、高校の授業でも話してみました。チェック柄と色を組み合わせる、単純なのにかなり奥深い世界がひろがります。 (は)