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児童図書館の先駆者たちーアメリカ・日本

 

現在、公共図書館で当たり前に行われている児童サービス。年齢制限のない公開、児童書目録の編纂、お話会の開催、学校との連携など、それらを形づくったアメリカと日本の先達について、文献資料から簡潔にまとめた。
アメリカ編では、第一世代のキャロライン・ヒューインズと第二世代のアン・キャロル・ムーアについて、生い立ちから児童サービスに携わる経緯、その活躍を延べ、ほかにも8名の女性児童図書館員が列挙される。
一方日本は、「アメリカの黎明期の動きとも共通」とあるものの、その功績に挙げられるのは男性ばかり。アメリカにおいても女性図書館員進出のきっかけは「子ども相手の仕事」は女性たちにと、男性図書館員に歓迎されたためというが、日本ではいまだに”女、子ども”の域を抜け出せていない・・・。文献拾い読みの項では、大正時代にお話の理論書を著した女性、水田光が紹介されています。

明治大正の「日本の児童図書館のあゆみ」年表と関連文献リストもあり。 (は)