児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

わたし8歳、カカオ畑で働きつづけて

 

世界中のさまざまな児童労働の実態と、それをどう改善したらよいのかを提示。低賃金で、もしくは売られたり、親の借金のせいで無収入で過酷な単純労働、重労働に従事させられ、暴力や性的な搾取も受けている状況を知らせる。印象的なのは、著者たちが「日本の子どもは何をして働いているの?」と著者たちが言われたというエピソード。働いている子どもたちは、仕事をしていない子どもを想像できないということが恐ろしい。また。子ども組織の中から「人として尊厳を保てるような仕事については認めてほしい」という声が出たという事。子どもが働かなければ事実上家族が飢える貧困を放置しても解決はしないし、子どもたちも家族を飢えさせたくないとプライドを持って訴えている。子どもを学校に活かせると給食や家族の食料を渡す仕組みや、フェアトレードの仕組みなどとセットであることはとても重要。子どもたちの労働の背後に、それで利益を得ている私たちがいることを認識するのは大切。