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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

詩ってなんだろう

 

2001年初版当時「現行のいくつかの小学校国語教科書を読んで感じた私の危機感から出発しています。」という本書。「日本の詩歌の時間的、空間的なひろがり」の「見取り図」を示している。

わらべうた、いろはかるた、なぞなぞ、しりとり。そうか、これも詩だったんだ。翻訳詩の最初は「さんびか」だった。俳句や短歌が登場するのは中盤から。七五の音からしだいに自由になっていく日本の詩。草花の名や食べ物を並べただけ、一行でも方言でも詩はつくれる。大きな字、135ページを読むあいだに、人が生まれて命の終わりに近づくまでに出合う詩をたどるようです。

谷川さんの語りかける説明が易しくて、低学年にも伝わる。詩はもちろん、説明文まで声に出して読みたくなります。「アクロスティック」という、詩の1番上の文字を読むと意味のある言葉になる手法は、さっそく私も、自分の名前でつくってみました。 (は)