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カッコーの歌

 

英国幻想文学大賞ファンタジー長編部門賞受賞作。目覚めたトリスは、直前の記憶を無くしていた。両親は心配してくれるが、妹のペンは、怯えたようすで自分を見る。そして、すさまじい飢えに苛まれて、手あたり次第食べ物を詰め込まずにはいられない。第一次大戦直後のイギリス。トリスの兄は戦場で死に、両親がますます過保護になる中で、ペンは激しく抵抗。トリスは、いつも両親のいい子だった。だが、何かが変。部屋の中の人形などの物まで喰いつくす飢えを持つ自分は一体誰? ペンは、誰かと連絡をとっている。兄の元婚約者ヴァイオレットの手を借り、真相を探ろうとするが、それは、あまりに意外なことだった。イギリスの妖精物語(卵の殻の酒造り)のエピソードも踏まえ、こうなると思った結末も見事にひっくり返した物語。こんなラストにたどりつくとは・・・