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図書館のための簡単な本の修理

 

文庫のお客さんから「修理したい絵本があるのですが・・・」と聞かれました。子どもがとても気に入っているのに、もう買えないもの、とのこと。
本書の最大の特長は、「身近な道具で」「簡単に」修理できる方法!というところです。ターゲットを学校図書館にしぼり、利用頻度が高く、耐用年数を3年と想定(できるだけ早く読める状態にして棚へ戻すことを目的)しているので、保存目的の貴重な資料は対象としていません。家庭用で、不特定多数が利用するのでなければ、十分長持ちすると思われます。手順の写真が、初心者にはわかりづらい部分があるので、次の本も参考にすることをおすすめします。

 

『図書の修理 とらの巻』 NPO法人書物研究会/編 澪標/発行 2017年


基本的な修理方法は、上記の本と全く同じです。ほぼ全編イラストで解説されており、わかりやすい。新人図書館員の”とらみ”というねこのキャラクターが、グーテンベルクさん(活版印刷の発明)や蔡倫さん(紙の発明)、ミネルヴァさん(知恵の女神)に、指導を受けていくという設定で、本の構造、紙の性質についても学べます。

『続 図書の修理 とらの巻』は、より専門的な内容ですが、本の傷みを防ぐ箱型のカバーは、自宅の大切な本のためには作りたくなるかもしれません。 (は)