児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

えほんのせかい こどものせかい

 

「幼いうちに本の楽しみを知ること」、それには「まわりにいるおとなが本を読んでやること」。

50年の間、子どものためにいいと松岡享子さんが考え、やってきたこと。50年たっても変わらない。50年たったら、それらに脳科学的根拠が与えられた。
本書の前半は、1968年4月から1年間、福音館書店の「こどものとも」の折込付録に連載された文章です。当時、家庭文庫に通ってくる子どもたちの様子から、松岡享子さんは、はっきりと、確信をもって伝えてくれていました。
後半にある読み聞かせのおすすめリストは、解題が詳しく専門職向けと感じる。コンパクトな説明がわかりやすい『よみきかせのきほん』(東京子ども図書館)や『小学校での読み聞かせガイドブック』(プランニング遊)がおすすめ。
文庫版にはオリジナルの撮りおろしページ。本と緑のある東京子ども図書館、そして松岡享子さんの笑顔が、いつでも迎えてくれます。 (は)