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ジャングルの少年

 

汽船がアマゾン河で難波。川岸に逃れた一行の前に現れたのはインディオの少年クメワワ。七面鳥を仕留め、魚を獲り、パイナップルやはちみつを集めて、一行を助けてくれる。わずか12歳だがジャングルのことで知らないことはない。食料として必要な獲物しか殺さず、感謝した乗客から金を受取ろうとしない(ジャングルの中で金は使い道がない!)少年のシンプルでまっすぐな生き方に作者は魅せられる。この物語を読むと、私たちがいろいろな物を持っているようで、生きる能力を失ってしまったことを感じる。でも、ここからのスタートしかないものね。