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しんぞうとひげ

 

昔あるところに心臓とひげがいました。貧乏で水だけでしのいでいた2人は、ある日ばったり出会う。ひげは腹ぺこのあまり心臓に飛びかかりました。慌てて逃げる心臓。向こうからやってきた人間の男に頼んで体の中に隠してもらいます。しばらくして追いついたひげは、男の口の周りにはりついて心臓が出てくるのを待ち伏せすることにしました・・・というわけで、男の人にはひげが生え心臓が左胸にあるのです、という由来譚。
東アフリカ・タンザニアの昔話。心臓とひげの姿が衝撃的! エナメルペンキを使うティンガティンガ・アートで描かれた絵が目に鮮やかで楽しく、タンザニアの動物や植物、風俗などもふんだんに盛りこまれている。覚えて語れば様々な想像がふくらんで楽しそう。タンザニア流に「パウカー(はじめるよー)」「パカワー(はーい)」のかけ声でぜひ。 (は)