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マンチキンの夏

 

12歳のジュリアは、せっかくの夏休みだというのに、10歳の弟ランディと一緒に、地元で上演するミュージカル「オズの魔法使い」のマンチキン役のオーデションを受けることになった。歌が得意な弟と違って、背が低いことを気にしているジュリアはあまり気がのらない。ところが、なぜか合格して練習がスタートしたら、スイッチが入ってしまった。直前まで、大好きだった犬のラモンが死んで落ち込んでいたのに、舞台監督ジョーン・バーの情熱的な指導に感染したみたいにひっぱられてしまう。プロの役者で大人だけど子どものような体形のオリーブのペアになれたこともあって、みんなのリーダーのようになっていく。ご近所に住んでいるチャンさんが、思いがけずに衣装デザインの仕事をしていたことがわかり、チャンさんを紹介。そしてマンチキンだけではなく空を飛ぶ猿の役ももらうことになる。いろいろな大人や大学生にも出会って、自分も一人前になったような満足感を味わい、うまくやれるかドキドキ、ついに本番を迎え、2週間の公演をやりきったジュリア。自分のスクラップブックに、さまざまなものを貼りながら成長していくようすが魅力。