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アヤカシさん

 

小学校3年のケイ君には10歳違いで、大学生のメイおばさんがいる。小さいころからベビーシッターに来てくれ、今でもお母さんが遅い日は家庭教師で来てくれる。そのメイとケイ君には秘密があった。他の人には見えないモノ、アヤカシが見えてしまうのだ。メイは、それを他人に言っても信じてもらえずに苦労した経験から、アヤカシが見えてしまっても無視して、誰にも言ってはいけないとアドバイスしてくれる。アヤカシは、見つけてくれる人がいると喜んでついてくるから、無視するのが一番だというのだ。だが、ケイは、初めて見たしろひげのアヤカシさんに、実は古い鍵の精であることを明かされ、河原でその鍵を拾う。折々に出会うさまざまなアヤカシたちは、恐ろしいものではなく、みんな忘れられた存在を思い出してほしい様々な古い物の精。読んでいると、自分にもそんなアヤカシが見えてくるような気がするのが魅力。