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鉄橋をわたってはいけない

 

ジェイミーは7歳の男の子。2年前にパパが死んで、ママの実家の農場に暮らすが、いとこのマルコムからは、のけ者扱い。川向こうに住む子どもたちなら一緒に遊んでくれるが、鉄橋を渡るのはママと一緒でなければならないし、ママは忙しい。

ある日、川向こうで賑やかにパーティーの準備が始まった。対岸から見つめるジェイミー。「どうして鉄橋をわたってこないんだ?」「おっかないんだろう」とばかにされ、ついに鉄橋に足を踏み出した!

ひとりで渡りきり、パーティーを存分に楽しむジェイミー。ふと気がつけば夕方。慌てて帰ろうとすると、飼い犬のフランがジェイミーの後を追ってこちらへ来てしまった。帰りの鉄橋は、フランが言うことを聞かないので早く進めない。半分ほど渡ったところで、遠くに汽車の姿が見え、どんどん近づいてきた。突然ひびいた汽笛で異変に気づいたのは、川端で木登りをしていたマルコム。鉄橋にかけつけると、ジェイミーを間一髪助け出してくれたのです!犬のフランも線路に伏せていて無事。ジェイミーはほっとして、家へ帰ったのでした。
”わたってはいけない”とあるからには、いつ渡ってしまうのかとハラハラしながら読みすすむ。農場が自分の家だと感じるラストもいい。

短い物語の割に登場人物が多いので、中学年から。 (は)