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ガラス山の魔女たち

 

魔女の中で1番えらくて、1番悪い魔女ばあさんが、ある日突然、ガラス山へ追放されました。7歳の女の子エイミーが、「魔女ばあさん追服!(追放と征服を合わせた言葉)」と言ったからです。草花も動物も何もないガラス山のてっぺんにただひとり。唯一の望みは、いい魔女でいれば万聖節の夜だけ下界に下りて良いという条件です。

でもまもなく、エイミーは魔女ばあさんに仲間を増やしてあげました。ちび魔女に黒ネコ、魔女の赤ちゃん、そしてマルハナバチのマルチです。このマルチは、魔女ばあさんが意図せずにかけた魔法で言葉が話せるようになり、ちび魔女やエイミーのさまざまなピンチを救ってくれます。おかげでエイミーは、ちび魔女の誕生パーティーに招かれたり、ほうきに乗って空を飛んだり、魔法の呪文を使ったりと、たくさんの夢をかなえるのです。

物語はすべてエイミーが考えたことなのですが、読む側はエイミーにもちび魔女にもなって、魔女の世界で起こることを楽しみます。
アーディゾーニが、愛らしいちび魔女や子どもたち、恐ろしくも人間味のある魔女ばあさん、満月の夜空をほうきで飛び交う魔女たち・・・を描き出す力も大です。 (は)