児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

わたしもジャックもガイもみんなホームレス

 

実は、この絵本が出た時、どう評価してよいのかわからなかった。ホームレスという言葉が、社会性を帯びて感じられるが、繰り広げられるのは、絵が物語る世界。図書館の棚においておくと、貸出はあまりなく、たいてい棚に残っていた。その一因は、この本の重さかもしれない。今回、『「かいじゅうたち」の世界へ』を読んだのを契機に読み直してみた。中を開くと、恐ろしいネズミにつかまるかわいい子猫たちと小さい男の子、追うジャックとガイに月が絡むナンセンスな世界が広がっている。初読の時よりは流れはわかったが、正直、私の硬くなった頭では、この作品の中で自由に遊べなかった。実際に子どもたちに読み聞かせたらどういう反応がみられるのだろう?