児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

まよなかのだいどころ

 

夜には何がおきているのか? という子どもの頃の思いは、私もおぼえている。真夜中の、子どもが眠らなければならない時間に、ステキななにかがある、というセンダック自身が子どもの頃に感じていた好奇心が絵本になったこの作品は、素直で子どもに伝わりやすいとおもう。アメリカではだかの子どもが出てきた絵本はこれが初めてだったが、センダックは、そのことを意識せずに描いたというが、ミッキーがはだかになるのは、心だけがこっそり真夜中の冒険に飛び出していくようでとても自然。公衆浴場の文化のある日本では、全く気になりませんが、キリスト教圏の文化では、そんなに違和感があるのでしょうか? なんにしても、無事にケーキを焼くのに貢献してベッドに戻れたミッキーの満足そうなようすは、子どもたちの共感を誘うステキな結末。