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パディントンのクリスマス

 

季節は夏からクリスマス。挿絵のパディントンの表情が、いきいき度を増して楽しい。

パディントン自身が手に入れたアンティークカメラで、撮影する顛末の「家族写真」。品評会に出品する大事なかぼちゃが”盗まれた”のを、名探偵変装セットで解決する「パディントン探偵になる」など。

ブラウンさんがなかなか手を付けない、パディントンの部屋の改装を、一家が留守の間に自分でやってしまう「怪装事件」は、まるでコント。しっくいの入ったバケツとロープでつながったパディントンが、天井と床を上下するさまが目に浮かんで大笑いです。有名老舗百貨店でパディントンが拾った、ダイヤモンドのネクタイピンが元で、億万長者の高級車でドライブすることになるのも、快哉を叫びたくなる傑作。

一転して、最後の「クリスマス」では、パディントンから1人ひとりにプレゼントが渡されみんなが喜ぶ様子に、幸せな感動が広がります。 (は)