フランシスは卵がきらいです。半熟卵はヌルヌルしてて、目玉焼きはにらまれてるみたいだし、かき卵は食べづらい。そこで、ジャムつきパンだけ食べて学校に出かけました。
その晩のこと、テーブルには、子牛のカツレツにじゃがいも、さやいんげんが並びました。でもフランシスは、それらに手をつけず、ジャムつきパンを食べました。いろんな味がするものよりも、おいしいとわかっている方が安心だからです。
次の朝、みんなの前にはおとし卵ののったトーストがありましたが、フランシスの前にはジャムつきパンだけ。お弁当もジャムつきパン。晩ごはんもジャムつきパン。フランシスはとうとう、泣き出しました。「あたし、スパゲッティミートボールがほしいの。」 そして、おかあさんがよそってくれたスパゲッティを、フランシスは少しも残さず食べました。
次の日のお弁当は、えびのサンドイッチにセロリやにんじん、トマトスープもついて、フランシスは、ちがったものを少しずつ食べることは本当に楽しいなあと、思ったのでした。 (は)