児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

アップステージ (2023課題図書中学生の部)

 

シーラは、おとなしくて恥ずかしがり屋の女の子。親友のキャシーと、学校のミュージカルの参加を夢見ているけれど、同時に舞台に立つのは怖くてたまらない。なんとかオーディションを無事に歌えたが、もらえたのはおじさん4人組の一人という役。落ち込んでいるが、4人のハーモニーは、ミュージカルではとても重要。実際に歌ってみて夢中になる。主役のポールは、ふだんは空気のよめないダメ男だが、歌と演技はピカイチで、懸命に舞台を進めようとする。なのにヒロインのモニカは、きれいでちょっとしたタレント活動をしているが、自分をきれいにみせることしか頭にない。音楽のフーバー先生の励ましで、みんなは少しづつまとまっていくのに、モニカはオーディションだといって良く休む。ヒロインがいなくては舞台は進まない、フーバー先生はモニカの代役としてなんとシーラを指名した。人前が苦手で自信がないシーラが、すこしづつ頑張り、新しい友人ができていく様子、次々おこるドタバタ。ツンツンしたモニカも、最後はそれなりにシーラを認めるところなど、楽しく読める。